山之村の寒干し大根づくり(道具編)
完成したヒノキ製のフタ 寒干し大根づくりに欠かせないのが、大根をゆでる大釜です。
一度に何十本もの大根を輪切りにしたものをゆでるので、釜の大きさは直径60センチ以上あります。(子どもならお風呂になります。)
その釜の蓋を作ってほしいと地域の方から依頼がありました。
あまりに大きな蓋のため、既製品ではなく注文制作でないと手に入らないようです。
ちょうど、良いヒノキ材を持っていたので依頼をお受けすることにしました。
久しぶりに大工道具箱から鉋を取り出し、刃もの研ぎから始めます。 雇いザねを入れる溝を加工しています。板が薄いので慎重に削ります。 雇いザねを入れ、接着剤を塗り密着させます。 今回使用した接着剤「タイボンドⅢ」。水に強いボンドということで採用決定! 雇い実をつなぎ目に入れクランプで挟み込み、接着材が乾くまで待ちます。 三枚の板を継ぎ合わせ、一枚の板になるように鉋をかけます。左側が鉋をかけた後でつなぎ目が見えなくなってきました。 ペンの先で板を継いでいますが、継ぎ目が分かりますか? 蓋の持ち手の部分は板のそりを抑えるため「蟻桟」という特殊な加工をします。 トリマーで板を丸くくりぬきます。 ヒノキ製大釜のふたが完成しました。